この記事について
10月18日に、AIだけで3Dモデルを作り直した記録を書いた(前回の記事)。 そのあとも2週間ほど、こはねの3Dモデルを直し続けた。 直したのは主に、脇、髪、横顔だ。
いちばん変わったのは、直し方のほうだった。 10月30日から、決めたことと試してやめたことを、その日のうちに記録させるようにした。 この記事ではモデルの直したところと、記録の付け方を書く。 作業の分担は前回と同じで、絵はChatGPT、3Dの形はTripo、組み立てと確認はClaude Codeに任せ、私は見て判断した。
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先に知っておくと読みやすい言葉
- ADR: 決めたことを1件ずつファイルに残す記録。ソフトウェア開発で使われる書き方で、「何に困っていたか」「何を決めたか」「なぜか」を短く書く。
- 貼り絵: 3Dの表面に重ねて貼る絵の板。描き込みの細かいところを、形ではなく絵で見せるのに使う。
- 形状キー: 3Dの形を別の形へ少しずつ変えるための登録。効き具合を0から1で変えられる。
前回「まだおかしい」と書いたところ
前回の記事の最後に、まだおかしいところを4つ挙げた。 そのうち、袖の付け根と髪の2つを直した。
袖の付け根
腕を上げると、袖の付け根に白い板や棒のような部品が見えていた。 10月21日に、着物の下の体をVRoidの素体の体に替えた。 10月30日には、脇の布を下へ切り下げて縁取りを付け、腕を上げたときの脇の形を、ChatGPTに描かせた斜め45°の絵に合わせた。
脇の穴は、最初は当て布でふさいでいた。 調べると、胴の肌の点が二重になっていて、本当の穴の縁が別の所にあった。 当て布をやめて、胴の肌そのものの穴を閉じた。
髪
寄りで見ると、髪の縁がギザギザで、前髪を横切る細い線もあった。 10月27日と28日に、髪の部品が二重に重なっていた所を外した。 それでも私には、頭が縦に長い人がカツラをかぶっているように見えた。
11月2日に、髪を全部作り直した。 これまでの髪は7つの部品に分かれていた。 ChatGPTに髪だけを前・左・右・後ろの4方向から描かせ、Tripoで1つの形にした。 前髪は上まぶたで終わるように縮め、こめかみに焼き込まれていた影は肌の色で塗りつぶした。 前髪だけは前の版の細い房のほうが良かったので残し、切り口はまっすぐにした。 ここまでに24版を作った。
横顔
前回は正面から見た姿と、踊ったときの崩れを主に直した。 今回は横から見た顔に時間を使った。
横を向くと、正面向きの大きな目が、横に貼り付いたように見えた。 最初はChatGPTに描かせた真横(90°)の絵を目の貼り絵にして、角度で入れ替えた。 角度ごとの静止画では整って見えた。 ところが回る動画で見ると、入れ替わる瞬間におでこが急に伸びたように見えて、使えなかった。
1コマずつ見て、原因が分かった。 90°の絵は下に敷いた3Dの画像より縦に8%、横に10%大きく描かれていた。 その絵に顔の形を合わせたので、鼻からあごが前と下へ引き出されていた。 AIに描かせた絵は使う前に3Dの画像と大きさと位置を合わせておく必要があった。

いまの横顔の目はChatGPTに角度ごとの見本を開いた目と閉じた目で描かせ、それを目に貼る板にして、角度で切り替えている。 切り替わる前後は、1コマずつ原寸で見て確かめる。 まつげを二重の帯に見せていた原因は、元のまつげと板を同時に半透明にして、顔が透けていたことだった。 板を先に不透明にしてから、その下で元のまつげを消す順にした。
私が「横顔が全然かわいくない」と言ったときも、最初の見立ては外れた。 Claude Codeは最初、鼻と口が突き出していると考えた。 測ると、輪郭は絵と数ピクセルで合っていて、違ったのは肌の塗りと目だった。 そこで、絵の肌の色を、横を向いた面にだけ写した。
首も直した。 10月31日に、頭を2.5cm後ろへ、0.6cm上へずらした。
決めたことを記録する
前回の記事のころは、決めたことの記録がなかった。 あとで同じ失敗をくり返さないように、10月30日に私から頼んで、Claude Codeに、決めたことをADRとしてその日のうちに書かせるようにした。 それより前に決めたことは、Claude Codeのメモリから書き起こした。 1件はこんな見出しで書く。
- 状態(採用、試作中、取りやめ、置き換え)
- 日付
- 状況(何に困っていたか)
- 決定(何をするか、しないか)
- 理由(測った数字や見た画像があれば書く)
- 試してやめたこと(駄目だった方法と、駄目だった理由)
- 関係するファイル
いちばん役に立つのは「試してやめたこと」だ。 版の名前と、駄目だった理由を一緒に残す。 たとえば横顔の記録には、90°の絵が8%大きかったことと、それに合わせた形を使わなくなった理由が書いてある。 決定を変えたときは、古い記録を消さずに状態を「置き換え」にして、新しい記録を書く。
作業を始める前には、その作業に関係するADRを一覧から探して読ませる。 この決まりは、Claude Codeが毎回読む指示のファイル(CLAUDE.md)に書いた。 いまは22件あり、3Dモデルのほかに、ダンス動画の作り方やゲームの自動プレイの記録も入っている。
直すときの決まり
記録のほかに、直すときの決まりもいくつか増えた。 どれも、一度失敗してから足したものだ。
- 見た目から原因を決めない。先に測ってから直す。横顔では、最初の見立てが2回外れた。
- 角度で切り替わるところは、静止画ではなく、回る動画を1コマずつ見る。静止画では整っていても、切り替わる瞬間に崩れる。
- AIに描かせた参考の絵は、3Dの画像に大きさと位置を合わせてから使う。
- 確かめるための道具を新しく作ったら、壊れたものが壊れて見えるかを先に1枚で確かめる。Unityで目を確かめたとき、道具がまばたきを描画に反映していなかった。閉じた目を確かめたつもりで、開いた目の画像を見ていた。
ダンスのショートが増えた
前回のガラクタロードのあと、踊ってみたのショートを増やした。 10月31日にはVAVAVAを公開した。 ハレ晴レユカイ、No thank Cute!、DISCOTHEQUEの3本も、11月4日から6日に公開する予定だ。
作り方は前回と同じで、動きはブラウザのプログラム(three.js)で計算し、Unityで舞台を付けて描く。 カメラは曲ごとのショット表で、8拍ごとに切り替える。 ハレ晴レユカイは、配布されていたカメラのデータが5人を横長で撮るためのものだった。 縦長に切ると髪で画面が埋まるコマが出たので、自分のショット表で撮った。
表情を入れるときにも、一つ見つかった。 配布モーションの「笑い」が動画に出ていなかった。 表情のデータの並びが時刻の順になっておらず、読み込むプログラムがそのまま探していたためだ。 読み込むときに並べ替えるように直した。
まだおかしいところ
今も次のようなところが残っている。
- 頭のてっぺんに小さな点が見える。
- 頭を傾けると、眉に線が出る。
- あごの前の首に、影の段ができる。
- 45°くらいの角度で、眉の内側が下がって怒ったように見える。
AIで3Dモデルを直すときのこつ
前回の記事のこつに、今回分かったことを足す。
- 決めたことと試してやめたことを、その日のうちにAIに記録させる。作業の前には、その記録を読ませる。
- AIに描かせた参考の絵は、3Dに大きさと位置を合わせてから使う。
- 原因は見た目で決めず、測ってから直す。
- 角度で切り替わるところは、1コマずつ見る。
- 確かめるための道具は、壊れたものが壊れて見えるかを先に確かめる。
- 小さな部品を重ねて継ぎ目が消えないなら、まとめて1つの形で作り直す。
前回は、踊れるモデルまでたどり着くことが目標だった。 今回は横から見てもかわいく見えることを目標に、記録を残しながら一つずつ直してきた。